27年度第3種冷凍機械責任者試験の問題・解答を簡単な言葉で解説をしたいと思います。(保安管理問題1~15まで)
解説はSI初級を見て解説しますので理解の程よろしくお願いします。
自分は消去法で先に消していきますので今回もその方法を説明します。
平成27年度冷凍3種過去問題とSI初級冷凍受験テキスト解説
保安管理技術試験問題1~15問1 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、冷凍の原理、冷凍サイクルについて正しいものはどれか
イ 物質が液体から蒸気に、または蒸気から液体に状態変化する場合に必要とする出入りの熱量を、顕熱と呼ぶ
ロ 冷凍装置の冷凍能力に圧縮機の軸動力を加えたものが、凝縮器の凝縮負荷である
ハ p-h線図上において、乾き飽和蒸気あるいは過熱蒸気状態の冷媒の断熱圧縮過程を表す線は等比エンタルピー線である
二 冷凍装置内を液や蒸気などの状態変化を繰り返しながら、単位時間当たりに循環する冷媒量を冷媒循環量という
1 ロ 2 二 3 イ、ハ 4 ロ、二 5 イ、ハ、二
解説
イ ✕ 潜熱です
ロ 〇 冷凍装置の冷凍能力に圧縮機の軸動力を加えたものが、凝縮器の凝縮負荷である
凝縮負荷=冷凍能力+圧縮機の軸動力
ハ ✕ 冷媒の断熱圧縮過程を表す線は等比エントロピー線です(熱量を絶対温度で割った値)
ちなみに等比エンタルピーはp-h線図の横軸です(冷媒1kgが保有する全熱量)
二 〇 冷凍装置内を液や蒸気などの状態変化を繰り返しながら、単位時間当たりに循環する冷媒量を冷媒循環量という
冷媒は冷凍装置内を液や蒸気などの状態変化を繰り返しながら循環します
正解 4
まずイが✕で簡単なので消去法で1、2、4の3択に絞れます
その後ロが〇で簡単なので1,4の2択までいけます
問2 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、冷凍サイクル、熱の移動について正しいものはどれか
イ 理論断熱圧縮動力は、冷媒循環量に断熱圧縮前後の比エンタルピー差を乗じたものである
ロ 実際の装置における冷凍サイクルの成績係数は、理論冷凍サイクルの成績係数よりも大きい
ハ 熱伝導抵抗は、固体壁の厚みをその材料の熱伝導率と伝熱面積の積で除したものであり、この値が大きいほど物体内を熱が流れやすい
二 固体壁を隔てた流体間の伝熱量は、伝熱面積と流体間の温度差と熱通過率とを乗じたものである
1 ロ 2 イ、ハ 3 イ、二 4 ロ、ハ 5 イ、ロ、二
解説
イ 〇 理論断熱圧縮動力は、冷媒循環量に断熱圧縮前後の比エンタルピー差を乗じたものである
理論断熱圧縮動力pth=冷媒循環量qmr×(断熱圧縮前後の比エンタルピー差h2-h1)
理論断熱圧縮動力pth=冷媒循環量qmr×(断熱圧縮前後の比エンタルピー差h2-h1)
2種を受ける人は計算問題で使うので覚えましょう
ロ ✕ 実際の装置における冷凍サイクルの成績係数は圧縮機などの摩擦損失があるので小さくなります
ハ ✕ 熱伝導抵抗が小さいほうが物体内を熱が流れやすいです(抵抗が大きいと流れにくいですよね)
二 〇 固体壁を隔てた流体間の伝熱量は、伝熱面積と流体間の温度差と熱通過率とを乗じたものである
固体壁を隔てた流体間の伝熱量=熱通過率k×伝熱面積A×流体間の温度差
正解 3
ロが✕で簡単なので消去法で2、3の2択に絞れます
問3 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、冷凍能力、軸動力および成績係数について正しいものはどれか
イ 冷凍装置の冷凍能力は、蒸発器出入口における冷媒の比エンタルピー差に冷媒循環量を乗じて求められる
ロ 実際の圧縮機の軸動力は、理論断熱圧縮動力を、断熱効率と体積効率の積で除して求められる
ハ 冷媒循環量を圧縮機のピストン押しのけ量から求めるときは、圧縮機の吸込み蒸気の密度(または比体積)と体積効率が必要である
二 冷凍装置の実際の成績係数は、理論冷凍サイクルの成績係数に断熱効率と体積効率を乗じて求められる
ハ 〇 冷媒循環量を圧縮機のピストン押しのけ量から求めるときは、圧縮機の吸込み蒸気の密度(または比体積)と体積効率が必要である
冷媒循環量×比体積v1=ピストン押しのけ量V×体積効率ηv
二 ✕ 体積効率じゃなく機械効率をかけます
正解 2
まずロが✕で簡単なので消去法で2、3、5の3択に絞れます
その後イが〇で簡単なので2,3の2択までいけます
この問題は公式を覚えてないと難しいです
① 体積効率=吸込み蒸気量÷ピストン押しのけ量
② 全断熱効率=断熱効率×機械効率
③ 断熱効率=理論圧縮動力÷蒸気圧縮動力
④ 機械効率=蒸気圧縮動力÷圧縮機軸動力
⑤ 圧縮機軸動力=理論圧縮動力÷全断熱効率
⑥ 圧縮機軸動力=蒸気圧縮動力+機械的摩擦損失
頑張って覚えましょう
問4 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、冷媒、冷凍機油およびブラインの性質について正しいものはどれか
イ フルオロカーボン冷媒の種類の中で、分子構造中に塩素原子をふくむものはその塩素がオゾン層を破壊するとして国際的に規制されている。また、塩素原子を含まないものでも地球温暖化に影響を及ぼすとして大気放出を防ぐなどの対策・規制が行われている
ロ フルオロカーボン冷凍装置では、圧縮機から吐き出された冷凍機油は、冷媒とともに装置内を循環し、再び蒸発器から圧縮機へ戻るが、蒸発器内に冷凍機油が残らないようにする
ハ ブラインは空気とできるだけ接触しないように扱われる。それは、窒素が溶け込むと腐食性が促進され、また水分が凝縮して取り込まれると濃度が低下するためである
二 冷凍機油はアンモニア液よりも軽く、アンモニアガスは室内空気よりも軽い。またアンモニアは銅および銅合金に対して腐食性があるが、鋼に対しては腐食性がないので、アンモニア冷凍装置には鋼管や鋼板が使用される
1 イ、ロ 2 イ、ハ 3 イ、二 4 ロ、ハ 5 ハ、二
解説
イ 〇 フルオロカーボン冷媒の種類の中で、分子構造中に塩素原子をふくむものはその塩素がオゾン層を破壊するとして国際的に規制されている。また、塩素原子を含まないものでも地球温暖化に影響を及ぼすとして大気放出を防ぐなどの対策・規制が行われている
CFC冷媒 塩素あり 水素なし R11,R12など(オゾン層破壊、地球温暖化あり)
HCFC冷媒 塩素少ない 水素あり R22など(オゾン層破壊少ない、地球温暖化あり)
HFC冷媒 塩素なし 水素あり R134,R404,R407,R410など(オゾン層破壊なし、地球温暖化あり)
フルオロカーボン冷媒は地球温暖化ありと覚えましょう
オゾン層破壊は上から、あり、少ない、なしと覚えましょう
ロ 〇 フルオロカーボン冷凍装置では、圧縮機から吐き出された冷凍機油は、冷媒とともに装置内を循環し、再び蒸発器から圧縮機へ戻るが、蒸発器内に冷凍機油が残らないようにする
蒸発器内に冷凍機油が残ると伝熱を阻害するので
ハ ✕ 酸素が溶け込むと腐食性が促進されるので、腐食抑制剤を使います
二 ✕ 冷凍機油はアンモニア液よりも重い
フルオロ>冷凍機油>アンモニアの順に軽いです
正解 1
ハが✕で簡単なので消去法で1、3の2択に絞れます
問5 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、圧縮機について正しいものはどれか
イ 圧縮機は冷媒蒸気の圧縮の方法により、往復式と遠心式に大別される
ロ 多気筒の往復圧縮機では、吸込み弁を閉じて作動気筒数を減らすことにより、容量を段階的に変えることができる
ハ 圧縮機からの油上がりが多くなると、圧縮機内部の潤滑状態が良好となる
二 圧縮機の停止中に、冷媒が油に多量に溶け込んだ状態で圧縮機を始動すると、オイルフォーミングが発生することがある
1 二 2 イ、ロ 3 イ、二 4 ロ、ハ 5 ハ、二
解説
イ ✕ 容積式と遠心式です 引っ掛け問題です
ロ ✕ 吸込み弁を開放して作動気筒数を減らすことにより、容量を段階的に変えることができる
ハ ✕ 圧縮機からの油上がりが多くなると、圧縮機内部が過熱状態となり潤滑状態が悪くなります
二 〇 圧縮機の停止中に、冷媒が油に多量に溶け込んだ状態で圧縮機を始動すると、オイルフォーミングが発生することがある
冷媒が急激に蒸発してオイルフォーミングが発生します
正解 1
イ、ロが✕で簡単なので消去法で1、5の2択に絞れます
ロ ✕ 実際の装置における冷凍サイクルの成績係数は圧縮機などの摩擦損失があるので小さくなります
ハ ✕ 熱伝導抵抗が小さいほうが物体内を熱が流れやすいです(抵抗が大きいと流れにくいですよね)
二 〇 固体壁を隔てた流体間の伝熱量は、伝熱面積と流体間の温度差と熱通過率とを乗じたものである
固体壁を隔てた流体間の伝熱量=熱通過率k×伝熱面積A×流体間の温度差
正解 3
ロが✕で簡単なので消去法で2、3の2択に絞れます
問3 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、冷凍能力、軸動力および成績係数について正しいものはどれか
イ 冷凍装置の冷凍能力は、蒸発器出入口における冷媒の比エンタルピー差に冷媒循環量を乗じて求められる
ロ 実際の圧縮機の軸動力は、理論断熱圧縮動力を、断熱効率と体積効率の積で除して求められる
ハ 冷媒循環量を圧縮機のピストン押しのけ量から求めるときは、圧縮機の吸込み蒸気の密度(または比体積)と体積効率が必要である
二 冷凍装置の実際の成績係数は、理論冷凍サイクルの成績係数に断熱効率と体積効率を乗じて求められる
1 イ、ロ 2 イ、ハ 3 イ、二 4 ロ、ハ 5 ハ、二
解説
イ 〇 冷凍装置の冷凍能力は、蒸発器出入口における冷媒の比エンタルピー差に冷媒循環量を乗じて求められる
冷媒循環量qmr(出口h1-入口h4)です
ロ ✕ 実際の圧縮機の軸動力P=理論断熱圧縮動力pth÷(断熱効率nc×機械効率nm)解説
イ 〇 冷凍装置の冷凍能力は、蒸発器出入口における冷媒の比エンタルピー差に冷媒循環量を乗じて求められる
冷媒循環量qmr(出口h1-入口h4)です
ハ 〇 冷媒循環量を圧縮機のピストン押しのけ量から求めるときは、圧縮機の吸込み蒸気の密度(または比体積)と体積効率が必要である
冷媒循環量×比体積v1=ピストン押しのけ量V×体積効率ηv
二 ✕ 体積効率じゃなく機械効率をかけます
正解 2
まずロが✕で簡単なので消去法で2、3、5の3択に絞れます
その後イが〇で簡単なので2,3の2択までいけます
この問題は公式を覚えてないと難しいです
① 体積効率=吸込み蒸気量÷ピストン押しのけ量
② 全断熱効率=断熱効率×機械効率
③ 断熱効率=理論圧縮動力÷蒸気圧縮動力
④ 機械効率=蒸気圧縮動力÷圧縮機軸動力
⑤ 圧縮機軸動力=理論圧縮動力÷全断熱効率
⑥ 圧縮機軸動力=蒸気圧縮動力+機械的摩擦損失
頑張って覚えましょう
問4 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、冷媒、冷凍機油およびブラインの性質について正しいものはどれか
イ フルオロカーボン冷媒の種類の中で、分子構造中に塩素原子をふくむものはその塩素がオゾン層を破壊するとして国際的に規制されている。また、塩素原子を含まないものでも地球温暖化に影響を及ぼすとして大気放出を防ぐなどの対策・規制が行われている
ロ フルオロカーボン冷凍装置では、圧縮機から吐き出された冷凍機油は、冷媒とともに装置内を循環し、再び蒸発器から圧縮機へ戻るが、蒸発器内に冷凍機油が残らないようにする
ハ ブラインは空気とできるだけ接触しないように扱われる。それは、窒素が溶け込むと腐食性が促進され、また水分が凝縮して取り込まれると濃度が低下するためである
二 冷凍機油はアンモニア液よりも軽く、アンモニアガスは室内空気よりも軽い。またアンモニアは銅および銅合金に対して腐食性があるが、鋼に対しては腐食性がないので、アンモニア冷凍装置には鋼管や鋼板が使用される
1 イ、ロ 2 イ、ハ 3 イ、二 4 ロ、ハ 5 ハ、二
解説
イ 〇 フルオロカーボン冷媒の種類の中で、分子構造中に塩素原子をふくむものはその塩素がオゾン層を破壊するとして国際的に規制されている。また、塩素原子を含まないものでも地球温暖化に影響を及ぼすとして大気放出を防ぐなどの対策・規制が行われている
CFC冷媒 塩素あり 水素なし R11,R12など(オゾン層破壊、地球温暖化あり)
HCFC冷媒 塩素少ない 水素あり R22など(オゾン層破壊少ない、地球温暖化あり)
HFC冷媒 塩素なし 水素あり R134,R404,R407,R410など(オゾン層破壊なし、地球温暖化あり)
フルオロカーボン冷媒は地球温暖化ありと覚えましょう
オゾン層破壊は上から、あり、少ない、なしと覚えましょう
ロ 〇 フルオロカーボン冷凍装置では、圧縮機から吐き出された冷凍機油は、冷媒とともに装置内を循環し、再び蒸発器から圧縮機へ戻るが、蒸発器内に冷凍機油が残らないようにする
蒸発器内に冷凍機油が残ると伝熱を阻害するので
ハ ✕ 酸素が溶け込むと腐食性が促進されるので、腐食抑制剤を使います
二 ✕ 冷凍機油はアンモニア液よりも重い
フルオロ>冷凍機油>アンモニアの順に軽いです
正解 1
ハが✕で簡単なので消去法で1、3の2択に絞れます
問5 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、圧縮機について正しいものはどれか
イ 圧縮機は冷媒蒸気の圧縮の方法により、往復式と遠心式に大別される
ロ 多気筒の往復圧縮機では、吸込み弁を閉じて作動気筒数を減らすことにより、容量を段階的に変えることができる
ハ 圧縮機からの油上がりが多くなると、圧縮機内部の潤滑状態が良好となる
二 圧縮機の停止中に、冷媒が油に多量に溶け込んだ状態で圧縮機を始動すると、オイルフォーミングが発生することがある
1 二 2 イ、ロ 3 イ、二 4 ロ、ハ 5 ハ、二
解説
イ ✕ 容積式と遠心式です 引っ掛け問題です
ロ ✕ 吸込み弁を開放して作動気筒数を減らすことにより、容量を段階的に変えることができる
ハ ✕ 圧縮機からの油上がりが多くなると、圧縮機内部が過熱状態となり潤滑状態が悪くなります
二 〇 圧縮機の停止中に、冷媒が油に多量に溶け込んだ状態で圧縮機を始動すると、オイルフォーミングが発生することがある
冷媒が急激に蒸発してオイルフォーミングが発生します
正解 1
イ、ロが✕で簡単なので消去法で1、5の2択に絞れます
問6 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、凝縮器および冷却塔について正しいものはどれか
イ 一般に空冷凝縮器では、水冷凝縮器より冷媒の凝縮温度が高くなる
ロ 水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却管内を冷媒が流れて冷媒が凝縮する
ハ 冷却塔では、散水された水の一部が蒸発し、その蒸発潜熱で冷却水が冷却される
二 水冷凝縮器の伝熱管において、フルオロカーボン冷媒側の管表面における熱伝達率は水側の熱伝達率より大きく、水側の管表面に溝をつけて表面積を大きくしている
1 イ、ハ 2 イ、二 3 ロ、ハ 4 ロ、二 5 イ、ハ、二
解説
イ 〇 一般に空冷凝縮器では、水冷凝縮器より冷媒の凝縮温度が高くなる
空冷凝縮器>蒸発式凝縮器>水冷凝縮器の順に凝縮温度は小さくなります
ロ ✕ 水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器は、冷却管内を水が流れ、冷媒は管外です
フルオロカーボンはローフィンチューブ、アンモニアは裸管を使います
ハ 〇 冷却塔では、散水された水の一部が蒸発し、その蒸発潜熱で冷却水が冷却される
冷却塔は循環水量の2%を新しい水で補給します
二 ✕ 熱伝達率が小さい側にフィンや溝を付けて熱伝達率を向上させています
水>冷媒>空気の順に熱伝達率が小さくなります
正解 1
ロ、二が✕で簡単なので消去法で1
問7 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、蒸発器について正しいものはどれか
イ 除霜方式には、散水方式、ホットガス方式、オフサイクルデフロスト方式などがある。ホットガス方式では、高温の冷媒ガスの顕熱だけで霜を融解させる
ロ 冷凍能力の大きな乾式プレートフィンチューブ蒸発器は、多数の伝熱管をもっている。このため、冷媒をこれらの管に均等に分配して送り込むディストリビュータ(分配器)を取り付ける
ハ プレートフィンチューブ蒸発器に霜が厚く付着すると、風量が減少し、伝熱量が低下するため、除霜運転を行う必要がある
二 蒸発における冷凍能力は、冷却される空気や水などと冷媒との間の平均温度差、熱通過率および伝熱面積に正比例する
1 イ、ハ 2 イ、二 3 ロ、ハ 4 イ、ロ、二 5 ロ、ハ、二
解説
イ ✕ 高温の冷媒ガスの顕熱と凝縮潜熱の両方で霜を融解します
オフサイクルデフロスト方式は庫内の空気で霜を融解する
散水方式は10~25℃の水を冷却器上部から散水する
ロ 〇 冷凍能力の大きな乾式プレートフィンチューブ蒸発器は、多数の伝熱管をもっている。このため、冷媒をこれらの管に均等に分配して送り込むディストリビュータ(分配器)を取り付ける
ディストリビュータ(分配器)を取り付けると圧力降下が大きくなるので外部均圧形にする
ハ 〇 プレートフィンチューブ蒸発器に霜が厚く付着すると、風量が減少し、伝熱量が低下するため、除霜運転を行う必要がある
暗記しましょう
二 〇 蒸発における冷凍能力は、冷却される空気や水などと冷媒との間の平均温度差、熱通過率および伝熱面積に正比例する
蒸発における冷凍能力=熱通過率k×伝熱面積A×平均温度差
イが✕で簡単なので消去法で3、5の2択に絞れます
問8 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、自動制御機器について正しいものはどれか
イ 一般に、膨張弁から蒸発器出口にいたるまでの圧力降下が大きい場合には、外部均圧形温度自動膨張弁を使用する
ロ 小容量の冷凍装置には、キャピラリーチューブが用いられている。キャピラリチューブは、冷媒の流動抵抗による圧力降下を利用して冷媒の絞り膨張を行うとともに、冷媒の流量を制御し、蒸発器出口冷媒の過熱度の制御を行う
ハ 冷却水調整弁は制水弁、節水弁とも呼ばれ、水冷凝縮器の負荷が変化したときに凝縮圧力を一定に保持できるように作動し、冷却水量を調節する
二 断水リレーは、冷却水ポンプを停止させることによって装置を保護する安全スイッチであり、水冷凝縮器や水冷却器で断水または循環水量が低下したときに作動する
1 イ、ロ 2 イ、ハ 3 ロ、ハ 4 ロ、二 5 ハ、二
解説
イ 〇 一般に、膨張弁から蒸発器出口にいたるまでの圧力降下が大きい場合には、外部均圧形温度自動膨張弁を使用する
ちなみに膨張弁から蒸発器入り口にいたるまでの圧力降下が小さい場合には、内部均圧形温度自動膨張弁を使用する
ロ ✕ 固定絞りなので冷媒の流量を制御できない、蒸発器出口冷媒の過熱度の制御もできない
ちなみに定圧自動膨張弁も過熱度の制御ができません
ハ 〇 冷却水調整弁は制水弁、節水弁とも呼ばれ、水冷凝縮器の負荷が変化したときに凝縮圧力を一定に保持できるように作動し、冷却水量を調節する
冷却水調整弁は読んで字のごとく水と付いているので冷却水を管理する弁です
凝縮圧力(温度)を一定に保持できるように作動し、冷却水量を調節しています
二 ✕ 断水リレーは冷却水ポンプを停止させのではなく、電気回路を遮断して圧縮機を停止したり、警報を出して装置を保護する安全スイッチです
水冷凝縮器や水冷却器で断水または循環水量が低下したときに作動する〇
正解 2
ロが✕で簡単なので消去法で2、5の2択に絞れます
問9 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、附属機器について正しいものはどれか
イ 液分離器は、圧縮機の吐出し管に設け、冷媒蒸気中に冷媒液が混在したときに蒸気と液を分離するために用いる
ロ フルオロカーボン冷凍装置の液ガス熱交換機は、冷媒液を過冷却して液管内でのフラッシュガスの発生を防止し、圧縮機吸込み冷媒蒸気を適度に過熱するために用いる
ハ 冷凍装置に用いられる受液器には、大別して凝縮器の出口側に連結される高圧受液器と、冷媒液強制循環式冷凍装置で蒸発器に連結して用いられる低圧受液器とがある
二 油分離器は、アンモニア冷凍装置や低温用のフルオロカーボン冷凍装置に用いることが多い。アンモニア冷凍装置の場合、分離された冷凍機油(鉱油)は劣化しにくく、一般に圧縮機クランクケース内に自動返油される
1 イ、ロ 2 イ、二 3 ロ、ハ 4 ハ、二 5 イ、ロ、ハ
解説
イ ✕ 圧縮機の吸込み蒸気配管に設けます
圧縮機の吐出し管に設けるのは油分離器です
ロ 〇 フルオロカーボン冷凍装置の液ガス熱交換機は、冷媒液を過冷却して液管内でのフラッシュガスの発生を防止し、圧縮機吸込み冷媒蒸気を適度に過熱するために用いる
液ガス熱交換機は冷媒液と冷媒蒸気をお互いに熱交換する装置です
液ガス熱交換機は冷媒液と冷媒蒸気をお互いに熱交換する装置です
ちなみにアンモニア冷凍装置では吐出しガス温度が高くなるので使えません
ハ 〇 冷凍装置に用いられる受液器には、大別して凝縮器の出口側に連結される高圧受液器と、冷媒液強制循環式冷凍装置で蒸発器に連結して用いられる低圧受液器とがある
凝縮器の出口側に連結される高圧受液器と冷媒液強制循環式冷凍装置で蒸発器入り口に連結して用いられる低圧受液器があります
凝縮器の出口側に連結される高圧受液器と冷媒液強制循環式冷凍装置で蒸発器入り口に連結して用いられる低圧受液器があります
ちなみにフルオロカーボンは圧縮機クランクケース内に自動返油されます
正解 3
イが✕で簡単なので消去法で3、4の2択に絞れます
問10 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、冷媒配管について正しいものはどれか
イ 横走り吸い込み管にUトラップ(U字状の配管)があると、軽負荷運転時や停止時に油や冷媒液がたまり、圧縮機の始動時やアンロードからフルロード運転に切り換わったときに液圧縮の危険がある
ロ 高圧冷媒液配管内にフラッシュガスが発生すると、配管内の冷媒の流れ抵抗が小さくなって、フラッシュガスの発生がより激しくなる
ハ 配管用炭素鋼鋼管(SGP)は、フルオロカーボン冷凍R410Aの高圧冷媒配管に使用できる
二 フルオロカーボン冷凍装置に使用する銅配管の接続方式は、一般にフレア継手、ろう付け継手を用いることが多い
1 イ、ロ 2 イ、二 3 ロ、ハ 4 ロ、二 5 ハ、二
解説
イ 〇 横走り吸い込み管にUトラップ(U字状の配管)があると、軽負荷運転時や停止時に油や冷媒液がたまり、圧縮機の始動時やアンロードからフルロード運転に切り換わったときに液圧縮の危険がある
横走り吸い込み管にUトラップ(U字状の配管)があると、軽負荷運転時や停止時に油や冷媒液がたまるので、液戻り状態から液圧縮になります
横走り吸い込み管にUトラップ(U字状の配管)があると、軽負荷運転時や停止時に油や冷媒液がたまるので、液戻り状態から液圧縮になります
ロ ✕ フラッシュガスが発生すると、配管内の冷媒の流れ抵抗が大きくなるので、フラッシュガスの発生がより激しくなります
冷媒配管は流れの抵抗が小さいのが好まれます
ハ ✕ 配管用炭素鋼鋼管(SGP)は毒性の冷媒や、設計圧力1MPa、温度100℃を超える耐圧部分には使えないので、フルオロカーボン冷凍R410Aは毒性はないが、高圧部の設計圧力が1MPaを超えるため使えません
二 〇 フルオロカーボン冷凍装置に使用する銅配管の接続方式は、一般にフレア継手、ろう付け継手を用いることが多い
銅配管の接続方式は、一般にフレア継手、ろう付け継手を用いることが多い
ちなみに鋼管は溶接継手、ねじこみ継手(アンモニア)が多い
フランジ継手は銅配管、鋼管の両方使えます
正解 2
ロが✕で簡単なので消去法で2、5の2択に絞れます
問11 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、安全装置などについて正しいものはどれか
イ 安全弁の各部のガス通路面積は、安全弁の口径面積より小さくしてはならない。また作動圧力を設定した後、封印できる構造であることが必要である
ロ 液封による事故は運転中に高温高圧になる液配管で発生することが多く、弁操作ミスなどが原因になることが多い
ハ 高圧遮断装置は異常な高圧圧力を検知して作動し、圧縮機を駆動している電動機の電源を切って圧縮機を停止させ、運転中の異常な圧力の上昇を防止する
二 溶栓は温度によって溶融するものであるから、圧縮機吐出しガスで加熱される部分に取り付けてはならない
1 ロ 2 ハ、二 3 イ、ロ、ハ 4 イ、ロ、二 5 イ、ハ、二
解説
イ 〇 安全弁の各部のガス通路面積は、安全弁の口径面積より小さくしてはならない。また作動圧力を設定した後、封印できる構造であることが必要である
暗記しましょう
ロ ✕ 液封の発生しやすい箇所は温度の低い冷媒液の配管に多い
弁操作ミスなどが原因になることが多い〇
ハ 〇 高圧遮断装置は異常な高圧圧力を検知して作動し、圧縮機を駆動している電動機の電源を切って圧縮機を停止させ、運転中の異常な圧力の上昇を防止する
高圧遮断装置(高圧圧力スイッチ)は圧縮機の出口配管に取り付け異常な高圧圧力を検知して作動し、圧縮機を駆動している電動機の電源を切って圧縮機を停止させ、運転中の異常な圧力の上昇を防止する
ちなみに低圧圧力スイッチは圧力が低下するとスイッチが開になり過度の低圧運転を防止できます
二 〇 溶栓は温度によって溶融するものであるから、圧縮機吐出しガスで加熱される部分に取り付けてはならない
溶栓は温度によって溶融するので、圧縮機吐出しガスで加熱される部分や、水冷凝縮器の冷却水で冷却される部分に取り付けてはならない
正しい冷媒温度を感知できない場所には取り付けないこと
正解 5
ロが✕で簡単なので消去法で2、5の2択に絞れます
問12 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、機器の材料および圧力容器について正しいものはどれか
イ 圧力容器に用いる板厚が一定のさら形鏡板に応力集中は起こらない
ロ 圧力容器の円筒銅では、接線方向の引張応力は長手方向の2倍となる
ハ 二段圧縮冷凍設備における設計圧力は、高圧部、中圧部および低圧部の3つに区分され、高圧部では通常の運転状態で起こりうる最高の圧力を用いる
二 圧力容器に使用する鋼材の腐れしろは、材質、使用条件によって異なる
1 イ、ロ 2 イ、二 3 ロ、ハ 4 ロ、二 5 ハ、二
解説
イ ✕ 形状や板厚が急変する部分や、くさび形のくびれの部分に応力集中が発生します
板厚が一定のさら形鏡板にも応力集中は起こる
ちなみに半球形鏡板には応力集中が起こらない
ロ 〇 圧力容器の円筒銅では、接線方向の引張応力は長手方向の2倍となる
暗記しましょう
ハ ✕ 二段圧縮冷凍設備に中圧部はありません
高段側の圧縮機の吐出し圧力以上の部分を高圧部として、それ以外を低圧部とする
二 〇 圧力容器に使用する鋼材の腐れしろは、材質、使用条件によって異なる
鋳鉄、鋼は1、0mm
銅、合銅金、ステンレス、アルミ二ウムは0、2mm
正解 4
イ、ハが✕で簡単なので消去法で4
問13 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、冷凍装置の圧力試験および試運転について正しいものはどれか
ロ 気密試験は、被試験品内のガス圧力を気密試験圧力に保った後に、水中に入れるか、外部に発砲液を塗布して、泡の発生がないことなどを確認して合格とする
ハ 真空試験は、冷凍装置の最終確認として微少な漏れ箇所の特定のために行う
二 非共沸混合冷媒を冷凍装置に充てんするときには、必ず冷媒液を充てんする
1 イ、ロ 2 イ、ハ 3 ロ、ハ 4 ロ、二 5 ハ、二
解説
イ ✕ 先に耐圧試験を実施してから、気密試験を行う
ロ 〇 気密試験は、被試験品内のガス圧力を気密試験圧力に保った後に、水中に入れるか、外部に発砲液を塗布して、泡の発生がないことなどを確認して合格とする
暗記しましょう
ハ ✕ 真空試験は、微少な漏れは確認できるが、漏れ箇所の特定はできません
二 〇 非共沸混合冷媒を冷凍装置に充てんするときには、必ず冷媒液を充てんする
非共沸混合冷媒は二相域で気相と液相の成分比が違うので、必ず冷媒液を充てんする
正解 4
イ、ハが✕で簡単なので消去法で4
問14 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、冷凍装置の運転について正しいものはどれか
イ 水冷凝縮器の冷却水量が減少すると、凝縮圧力の低下、圧縮機吐出し温度の上昇、装置の冷凍能力の低下が起こる
ロ 冷蔵庫に高い温度の品物が入ると、庫内温度が上昇するので、冷媒の蒸発温度が上昇し、冷媒循環量が増加して冷凍装置の冷却能力は増加する
ハ アンモニア冷凍装置への多量の水分浸入は、アンモニア冷媒の蒸発圧力の低下、圧縮機の潤滑性能の低下などをもたらすので、十分に注意が必要である
二 水冷凝縮器内の不凝縮ガスを確認するためには、圧縮機を停止し、凝縮器内に冷却水を通水し、凝縮温度が周囲の大気温度より高いことから判断する
1 イ、ロ 2 イ、ハ 3 ロ、ハ 4 ロ、二 5 ハ、二
解説
イ ✕ 水冷凝縮器の冷却水量が減少すると、凝縮圧力の上昇、圧縮機吐出し温度の上昇、装置の冷凍能力の低下が起こる
冷却水量が減少すると冷凍装置の状態が悪くなるので、凝縮圧力は上昇します
ロ 〇 冷蔵庫に高い温度の品物が入ると、庫内温度が上昇するので、冷媒の蒸発温度が上昇し、冷媒循環量が増加して冷凍装置の冷却能力は増加する
冷蔵庫に高い温度の品物が入るとそれを冷やそうとするため、冷媒の蒸発温度が上昇し、冷媒循環量が増加して冷凍装置の冷却能力は増加します
ハ 〇 アンモニア冷凍装置への多量の水分浸入は、アンモニア冷媒の蒸発圧力の低下、圧縮機の潤滑性能の低下などをもたらすので、十分に注意が必要である
多量の水分浸入は冷凍装置の状態が悪くなるので、蒸発圧力が低下します
二 ✕ 凝縮温度ではなく、高圧圧力計の指示が冷却水温における冷媒の飽和圧力より高ければ不凝縮ガスがあります
正解 3
まずイが✕で簡単なので消去法で3、4、5の3択に絞れます
その後ハが〇で簡単なので3、5の2択までいけます
問15 次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、冷凍装置の保守管理について正しいものはどれか
イ 往復圧縮機で液圧縮が起こると、シリンダ内圧は急激に上昇し、圧縮機の破壊につながるため、保安上十分に注意が必要である
ロ 冷媒が冷凍機油中に溶け込むと、油の粘度が高くなり、潤滑性能が下がる
ハ フルオロカーボン冷凍装置では、装置の新設や修理時に残った水分、気密試験の空気中の水分、冷凍機油中の水分などが冷媒系統に浸入するので、防止対策が必要である
二 冷凍負荷が急激に増大すると、蒸発器での冷媒の沸騰が激しくなり、蒸気とともに液滴が圧縮機に吸い込まれ、液戻り運転となることがある
1 イ、ロ 2 イ、ハ 3 ロ、二 4 イ、ハ、二 5 ロ、ハ、二
解説
イ 〇 往復圧縮機で液圧縮が起こると、シリンダ内圧は急激に上昇し、圧縮機の破壊につながるため、保安上十分に注意が必要である
液戻り、液圧縮などは圧縮機の破壊につながるため、保安上十分に注意が必要です
ロ ✕ 冷媒が冷凍機油中に溶け込むと、油の粘度が低くなり、潤滑性能が下がります
圧縮機の停止中は冷媒が冷凍機油中に溶け込まないように、クランクケースヒーターで温めています
ハ 〇 フルオロカーボン冷凍装置では、装置の新設や修理時に残った水分、気密試験の空気中の水分、冷凍機油中の水分などが冷媒系統に浸入するので、防止対策が必要である
フルオロカーボン冷凍は水と溶けあわないので、わずかな水も嫌うので防止対策が必要
冷凍負荷が急激に増大すると、蒸発器で沸騰しきれなかった冷媒液が圧縮機に吸い込まれ、液戻り運転になります
正解 4
ロが✕で簡単なので消去法で2、4の2択に絞れます
続きはこちらです28年度保安管理問題1~15
まとめ
27年度は他の年度より難しいので、この年度を8割ぐらいできれば本試験も合格できるでしょう!
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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